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作品のバックナンバー(2017/12)

(大平山の老木の柊ー比企郡嵐山町) (古代蓮の里の枯蓮ー埼玉県行田市)
老木の花柊や山の神 蓮枯に佇み拈華微笑かな
若樹の柊の葉は縁にノコギリ歯状の棘が沢山あり、触るとヒリヒリと非常に痛いので漢字「柊」の語源は疼痛(ヒリヒリと痛い病)から来ています。しかし老樹になると棘がすっかり無くなって丸葉になり、これが柊かと思う位で花を見ないと判らない位ですが花の香りは更に上品になるような気がします。逆に人間は齢を取ると怒りっぽくなったり、傲慢不遜になって威張り腐ったりする人が増えるような気がします。大平山には山の神の祠が在し、人間も柊のようになって欲しいと祈るばかりです。 枯れた蓮の花托の形は同じ表情の物が無く、まるで五百羅漢を眺めているような気分になり何かが伝わって来るようで飽きませんが、まさしく拈華微笑(言葉や文字では伝えられないので心から心へ伝えることで、以心伝心不立文字「いしんでんしんふりゅうもんじ」とも言う)です。蓮は泥沼(五濁悪世の我々生きるもの全ての姿を表す)で成長し、そこから清浄な花を咲かせて種子が又、花托から泥沼へ帰って行くので枯れても風情を感じ、俳句にも多く詠まれているのかもしれません。

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