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作品のバックナンバー(2006/12)

(枇杷の花ー近在にて) (泉岳寺ー港区高輪)
幾度も素通りするや枇杷の花 義士の墓守る如くに枇杷の花
枇杷の花は葉に隠れて目立たないので遠くからでは咲いているのか否かが解らず、しかも華やかさもなく決して綺麗な方ではないので俳句を始める前までは殆ど興味がありませんでした。しかし良く観察してみるとほのかな香りは上品で又、師走の忙しい時期の季語の花は他に余り無く貴重で、かえって何かを連想し易いのでとても味わい深いものがあります。これも厳しい冬を耐え忍ぶための自然の摂理の様な気がするのですが。 泉岳寺は普段でも墓参者が多いのですが師走は特別(4月の義士祭より賑わう)です。そして討ち入りの日に合わせた様にここの枇杷が丁度満開になり特に香りも良いので、はなむけの様です。しかし残念なことに昨年切られてしまいました。泉岳寺には無くても、枇杷の花を見ると忠臣蔵が浮かびます。又、相変わらず「天の声」なる不祥事が多いので命を賭けて正義を守る様な第二・第三の内蔵助が現れて欲しい世の中です。

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