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作品のバックナンバー(2019/01)

(野老ー近在にて) (鉢形城跡ー大里郡寄居町)
野老なり見知らぬ人の多かりし 冬枯や黒光増す城の柵
野老は山芋の一種でヌカゴを生じないが長い髭根を老人の髭に見立てて正月に長寿を祝う飾りにしていました。しかし今ではこの様な文化は殆ど残っておらず、誰に聞いても野老だと知っている人はおりませんでした。古い文化が衰退していくのは寂しいですがせめて俳句だけででも偲びたいと思います。余談ですが、所沢市の地名の由来は野老が沢山あった沢からきています。漢字を変えてしまうと由来まで忘れがちです。この様な例は他にもあります。例えば有名な由布院(木棉院・・・木棉=樹皮で作った布)や津和野(石蕗野)等々です。 戦国時代の城の殆どは山頂に築かれた山城でしたが鉢形城は真逆で、鉢の形をした地形(地名が鉢形)の底に本郭を築いた平山城でした。しかし広大な周囲には荒川の断崖絶壁や深い谷川が幾重にも重なり、これらの天然の要害を巧みに利用すると共に、郭周りには高い土塁を築いたり、写真のような柵が張り巡らされていたようです。後北条氏の築城技術は実に巧妙でこれらの特徴をよく現したまま残されているので日本百名城や日本の歴史公園の百選にそれぞれ選ばれております。

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