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作品のバックナンバー(2015/02)

(榛の花ー近在にて) (忍城公園の枯柳ー行田市)
母の里しみじみ偲びはんの花 一幅の漢詩 のごとく柳枯る
私の母親の生れ故郷は米所の新潟でした。昔の新潟の風物詩の一つに稲架掛(はざかけ:刈取った稲を棒に掛けて自然乾燥させること)があり、これに使用するのが榛の木でした。広大な水田の畦に沢山植えられておりましたが今では機械化され、殆ど見られません。数年前に新潟へ旅行した折、ある地区では観光用にこれを復活させたいとの話を聞きました。又、埼玉県の県の蝶は”ミドリシジミ”であり、この蝶は榛の木のみに生息(蝶は種類により生息する植物が異なる)なので尚更に親しみを感じます。しかし激減により蝶の生息にも影響を与えております。 立春とは言え未だ寒さが厳しいですが春風が吹いて枯柳の枝を揺すり、池の氷が解けて波立つ風景は何となく春を感じさせてくれます。忍城公園には池の畔に枯柳があり、穏やかな日にはこの下で風流人が釣りをしたり談笑したりしています。思わず、白楽天の漢詩「府西池」の情景が浮かんできました。”柳無気力条生動 池有波文氷尽開 今日不知誰計会 春風春水一時来” で、厳しい冬の後には春の暖かい風が吹き、温い水が流れて来て春が開ける様子を詠っています。尚、忍城は歴史小説”のぼうの城”となった城で映画化もされた。

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